朝日新聞記者「小泉進次郎議員は最も被災地に足を運ばれている議員の一人。野党はどうでしょうか？現実を学ぼうとしているでしょうか？」

三浦英之　新刊「白い土地」重版出来　@miura_hideyuki
誤解を恐れずに言うと（まあ当然誤解されるんですが）、小泉進次郎議員は私（宮城、福島、岩手に勤務経験あり）の知る限り、
国会議員の中でも最も東日本大震災の被災地に足を運ばれている議員の一人なんです。震災直後から仮設住宅や復興住宅を回られている。
なのになぜ、というのが私の率直な疑問です

偉そうなことを言う国会議員や学者さんたちがたくさんいますが、その半分は実際には被災地にはおいでにならない。
ネットや報道だけを読んで身勝手なことをおっしゃる。でも中には現場に頻繁に足を運ばれる議員や学者さんたちもいて、
私はそのような方々には（主張が違っても）心から経緯を表しています

さらに踏み込んで言えば、私が個人的に極めて嫌悪する安倍晋三前首相は、少なくない福島の自治体首長から評価されています。
私が「白い土地」で取り上げた浪江町の故馬場有町長もその一人です。
形はどうであれ、安倍氏は在任中、頻繁に福島を訪問し、首長から直に話を聞き、学ぼうとしたからです

今の野党はどうでしょうか？　どれほど原発被災地に足を運び、現実を学ぼうとしているでしょうか？　
その姿を原発被災地（あるいは津波被災地）の人々はしっかりと見ています。
私は今の政権や復興政策には極めて懐疑的な立場ですが、野党が全国的に支持されないのはそれなりの理由があると考えています

僕みたいに地方の末端にいると、選挙で自民党がなぜ勝つのか、現場の実情がよくわかるんです。彼らは「どぶ板」をやるんですよ。
良くも悪くも。野党に「どぶ板」をやれとは言わない。でも現場に来なければ、結局は何もわからない。空中戦しかできない。
そうやって負け続けているんだと僕は思います

「どぶ板」がなぜ強いか。僕は痛いほどよくわかります。僕の取材手法こそが「どぶ板」だからです。
人はテレビで偉そうなことを言う人よりも、一緒に飯を食ったり酒を飲んだりしてくれる人に心を開いてくれるんです。
それはたぶん政治でもジャーナリズムでも変わらない……

新型コロナでこんなに醜悪な政治をされても、次の選挙でもまだ政権を交代できそうにない。
その理由をもっと真剣に考えないと、この国は本当に後進国に転落してしまう。
小泉進次郎議員の発言を聞いて、僕は冷や汗が出るほどの危機感を感じた。彼は少なくとも被災地を見ている。なのに……と。

https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1385908258641113091