殺処分される猫をゼロに　草津の法人、TNRの活動費をCFで募る

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https://www.asahi.com/articles/ASS7G43P5S7GPTJB005M.html

　野良猫を捕獲（Trap）して不妊去勢手術（Neuter）をし、元の場所に戻す（Return）「TNR活動」に取り組む一般社団法人「サルヴァトーレ」（草津市）。代表理事の山本歩さん（51）は「殺処分をゼロにするために、手術をして不幸な猫を増やさないようにしたい」。手術費用をクラウドファンディング（CF）で募っている。

　美容師の山本さんがTNR活動を始めたのは約8年前。保護猫や殺処分される猫の多さを知り、近所の子猫を保護して里親を探すなど、地道な活動を始めた。山本さんに寄せられる相談も保護する猫の数もどんどん増えていった。

　保護や譲渡を続けても、猫の繁殖スピードに追いつかない。「（野良猫が生まれる）蛇口を閉めなければ、不幸の連鎖は止まらない」と、2018年にサルヴァトーレを設立した。

　県内で野良猫の去勢・不妊手術に対応できる病院は少なく、大阪府池田市の動物病院まで毎月20～30匹を連れて行った。手術費は動物愛護団体からの助成や山本さんの自腹でまかなった。

　昨年1月、県内でも迅速に手術できる動物病院をつくろうと、野良猫の不妊手術病院の設立を目指してCFを募った。約760万円が集まった。同年5月に自宅の美容室を改装し、「さくらスペイクリニック」を開院。獣医師の協力を得て、手術費用はオス4400円、メス7150円と一般的な水準より低く設定した。今年5月末までの1年間で433匹を施術した。

　山本さんの元に今年1月、がんで飼い主が亡くなった家の近隣住民から「取り残された猫を助けてほしい」と連絡が入り、保護に向かった。「ごみ屋敷」で多頭飼育していた。飼い主が亡くなってから10日ほど経ち、エサも水もなく、不衛生な状況で4匹は息絶えていた。手術をしていない猫が10匹ほどいた。

　手術をした猫は近隣住民が「地域猫」として育てているが、病気の猫や子猫は山本さんのクリニックのシェルターで保護した。山本さんは「保護した傷病猫の医療費の捻出も大変な状況」と話す。

　手術費を払えない飼い主は多いため、無料で手術できるように再びCFで募ることにした。目標額は500万円で、野良猫約600匹の施術費がまかなえるという。山本さんは「人の身勝手な都合で殺されていく猫を救いたい」と訴える。

　CFは26日まで。「READYFOR（レディーフォー）」で支援を募っている。問い合わせはサルヴァトーレ（077・566・5104）。（林利香）

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片っ端から捕まえて保健所に処分依頼すれば蛇口も閉まって不幸な子猫が減るのでは