菅義偉とウ●コの違い教えてください

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廃棄目前「パンダのうんこ」　つぶやきひとつで救われた

ゴールデンウィークを前に、松尾勇悦さん（61）は憂鬱（ゆううつ）な気分だった。

　麩（ふ）や麩菓子の専門店「松尾」（青森県弘前市）の社長を務めている。

　気にしていたのは、2018年から販売している麩菓子「パンダのうんこ」のことだ。

　ジャイアントパンダ「シャンシャン」の誕生にちなんだこの商品。

　大きさは原寸大を意識して1個約5センチ、9個入り1箱で594円（税込み）だ。

　パンダは主食である竹を十分に消化することが出来ず、緑色のうんこをするらしい。

　そんな話から考案された麩菓子で、北海道産てんさい糖に宇治抹茶を加えた糖蜜をたっぷり使っている。

　アイデアのユニークさもあって、上野周辺の土産物屋などで販売してもらうと好評だった。

　そんな中で突然やってきた新型コロナウイルスの影響。

　上野動物園に来た人が主に買ってくれていたこともあり、緊急事態宣言の影響をもろに受けた。

　昨年春は売れ行きを見て多めに製造していたが、1回目の宣言が出たことで大量廃棄する結果となった。

　憂鬱だったのは、今年も宣言が出るか出ないかはっきりしなかったから。

　結果的にはゴールデンウィーク前の4月25日に3回目が出された。

　在庫は少なくしていたものの、また廃棄が出るかもしれない、と思っていた。

注文殺到のきっかけは
　宣言翌日の26日、苦境が一変する出来事があった。

　刺繡（ししゅう）作家の大図まことさん（41）が、ツイッターにこんな文章を投稿したのだ
　お土産お菓子「パンダのうんこ」を一緒に開発した青森のお麩工場さんから商品の廃棄について連絡が届きました。

　少しでも力になりたいのですが動物園もお土産屋さんも休業です。

　ご協力いただける方通販を利用して下さい。色々なお麩があります。138年続く真面目なお麩工場です。

つぶやいたのは考案者
　大図さんは「パンダのうんこ」の考案者だ。

　きっかけは、パンダの刺繡入りハンカチを上野駅構内のお土産物屋さんに卸していた時のこと。

　店員と話していて、パンダの顔を模したせんべいが1日200枚以上売れていることを知った。

　他の店でも聞いてみると、やはり雑貨よりお菓子が売れているらしい。

　自分でも何か作れないかと調べるなかで、パンダのうんこが緑色だと知り、「抹茶で色をつけた麩菓子はどうだろう」とひらめいた。

　「うんこ漢字ドリル」が人気だったこともあって、商品名も「パンダのうんこ」と決めた。

2週間後にはサンプルが
　お菓子については素人なので、製造してくれる会社を探すことにした。

　ネットで麩菓子工場を調べて、自分が住んでいる場所から近い順に連絡して回った。

　東京、静岡、岐阜と電話をかけたが「生産コストが合わない」と断られてしまった。

　そうしてたどり着いたのが、弘前で手作りをしている松尾さんの会社だった。

　商品のコンセプトを説明すると「出来ると思いますよ」と即答し、2週間後にはサンプルを送ってくれた。

　上野の土産物店に持ち込むと「面白いので試験的にやってみましょう」となり、2018年3月に店頭販売が始まった。

　並べたそばから売れていき、納品した120個はその日のうちに完売した。

軌道に乗ったかに見えた矢先に
　松尾さんに無理を承知で増産を頼み、月500個だったのを月2千個まで増やしてもらった。

　味も抹茶だけでなく、青森りんご味やバナナ味などを追加。

　オンラインショップも始めて、商品を扱ってくれる問屋も見つけた。

　軌道に乗ったかに見えた矢先、コロナの影響がやってきた。

　観光客が減ったことで、土産物店は賞味期限がある商品の取り扱いを敬遠し始めた。

　そしてついには、上野で売ってくれるのが1店舗だけになった。

　松尾さんとのメールのやりとりで「今は耐えるしかないですね」と書きながら、何かできることはないかを考えた。