悪魔(♀)「それで、今日はどんな姿がいい？」

悪魔「たかが数十年ぽっちの年月恥をかくだけで、新鮮な人間の魂が手に入るんだ。私としてもなかなかに好条件だからね、存分にこき使ってくれ。」

悪魔「それに、近頃では少し楽しみになってきた。人間の男がどのような欲望を抱いているのか……キミは実に素直に答えてくれる。」

悪魔「私たちは良きパートナーだ。水臭いことは言わず、これからもよろしくやっていこうじゃないか。……それで、どうする？」

悪魔「……おや、予想外だな。私はてっきり、キミは年上の理知的な女性が好みとばかり思っていたが、今日はそのような幼女の姿を望むのか？」

悪魔「なるほど……人の欲望の形はその日の機嫌や体調によって変わるものなのだな。いや、これはまたひとつ勉強になったよ。」

悪魔「さて……それでは、お仕事の時間といこうか。いくぞ…………はあ…っ！」

悪魔「……どうかな、キミが気に入るように変身したつもりだが、不備はないかい？」

悪魔「ほう、そうか。フフフ、私もだんだんキミの人となりが分かってきたようだ。親睦を深められるというのは、なんとも嬉しいものだね。」

悪魔「おっと、すまない。このような姿で素の喋り方をしていてはせっかくの愛らしい姿が台無しか……んんっ……それでは……」

悪魔「……ねえ～♡お兄さんさっきから目付きイヤらしいんだけど♡もしかしてお兄さんロリコンなのぉ？うっわきっもぉ～っ♡めっちゃ汗かいてる～♡」

悪魔「ん？ああ、これかい？悪いとは思っていたんだが、キミの蔵書を少し堪能させてもらっていたよ。なにぶん、キミがいないと暇でね。」

悪魔「それにしてもこの書物はなかなか興味深いよ。女性の半裸の写真から始まり、絵と文字が同じ頁に描かれた……そうそう、たしか漫画だったね。しかも見たところ複数の物語が記されているようだ。」

悪魔「どれもこれも、人間的欲求が如実に表れている。魔界で読んだどんな論文より勉強になるよ。」

悪魔「……さて。キミも帰ってきたことだし、そろそろ……と。その前にお腹が空いただろう。なにか作ろうか。」

悪魔「なに、あれから私も少しは腕を上げたのだぞ。昼間のテレビでは料理の手ほどきをしてくれる白装束の方がいてね。私に親身に教えてくれるのだ。」

悪魔「冷蔵庫に入っていた食材を拝借することになるが……まあこれも私の人間界勉強だと思って付き合ってくれ。失敗は成功の母さ。まあ、失敗する気はないがね。」

悪魔「……フフフ。キミも好きだね。ああ、もちろんいいとも。キミの望む姿で、調理を行おうじゃないか。……ほほう。」

悪魔「なるほどなるほど……料理には母の味というものがあるらしい。ならば料理をする際には母性的な女性の姿であるべき、というのも道理だ。さて……」

悪魔「……うふふ。どうかしら、この姿は似合ってる？胸を少し大きめにしてみたのだけど……あらあら、気に入ってもらえてなによりだわ♪」

悪魔「それじゃあ、○○くんのためにお料理がんばるからねっ。○○くんは先にお風呂に入ってきて？お着替えはあとで持っていきますからね～♪」

悪魔「毎度思うことだが、キミは本当によく眠るねぇ。いやいや、実に健康的で結構だよ。私としては、話し相手がいなくて多少寂しくもあるがね。」

悪魔「それに……キミの寝顔を堪能している時間もそう悪いものじゃない。キミは覚えていないだろうが、何度か頭を撫でさせてもらったよ。」

悪魔「ハハハ、照れるほどのことでもないじゃないか。あれだけ欲望をぶつけている相手に、なにを照れることがある？等身大でいいんだよ。」

悪魔「さて……寝起きですまないが、私は買い物に出かけてくるよ。冷蔵庫の中身がいよいよ寂しくなってきただろう？」

悪魔「なに、起き抜けのキミはのんびりしてくれたまえ。この程度の雑事はしてやるさ。一応、キミは契約主だからね。」

悪魔「……まさか。この姿で外を出歩いたら、周囲の人々を驚かせてしまうだろう？もちろん人間の姿で行くさ……こんなふうにね。」

悪魔「……どうだい？なかなか悪くないだろう。キミから色々教えてもらっているからね、人間のふりをするのはバッチリさ。」

悪魔「……おいおい、どうしたんだい？なんとか言ってくれよ。その、似合ってるとか、なんとか……言ってくれたほうが、嬉しいな。」

悪魔「……そうか。フフ、キミから太鼓判をいただけたのなら、なんの心配もいらないな。それじゃあ私は……」

悪魔「ん、どうしたんだい？……ついてくるのか？いや、それは構わないが……せっかくの休みなんだ、もう少しゆっくりしていても…。」

悪魔「……分かったよ。それじゃあ、一緒に行こうか。……フフフ、この姿がずいぶんお気に召したようだね。あれこれ変えるのも手間だし、外を出歩くときはこの姿にするよ。」

悪魔「キミも、こんな女性と並んで歩けるのなら、悪い心地ではないだろう？」

悪魔「……なに？」

悪魔「え……ああいや、すまない。ただ、少し意外だったからね…。まさかそんなことを言われるとは思っていなかった。」

悪魔「この姿って……今の、本来の私の姿、ということだよね？人間の女性の姿とは、とてもじゃないが……」

悪魔「そ……そうか。そういう、ものなのか…。」

悪魔「……なんというか……少し、いや……だいぶ、気恥しいものだな……なんだか……ハハ…。」

ってことでたまには本当の姿も愛したい

西住殿犯す