アメリカ人の40％が「東京五輪にまったく興味なし」　NBCの視聴者数はリオやロンドンに比べ激減。アスリートの感動の押し付けに問題が

東京五輪の人気を見込んでIOCに巨額の放映権料を支払っている米NBCだが、視聴者数がリオやロンドン大会に比べて激減。
アメリカでは五輪への関心が低いことに加え、アスリートの感動物語を押しつけようとする姿勢にも問題があると米紙が報じている。

NBCの苦戦ぶりは、アメリカ人が概して五輪に興味がないことの表れでもある。
モンマス大学が先週発表した世論調査によると、今年の五輪に「かなり関心がある」と答えたのはわずか16％だった。「少し関心がある」は43％、「まったく関心がない」は41％にのぼった。
さらに、調査対象者のうち10％近くが、いま東京で五輪が開催されていることを知らなかったという結果も出た。

NBCが伝えたい五輪ストーリーと現実にずれが生じているという問題もある。
たとえば開会式で、テニス界のスターである大坂なおみが聖火をともしたとき、NBCの番組のホストは大げさにまくし立てた。

「聖火台に火がともったとき、私は背筋がゾクゾクしました。それは日の丸を象徴するはずでしたが、花のようにパッと開き、すべての可能性が花開いたように見えたのです」

その一方で、ジャーナリストたちはスタジアムの外で行われていた五輪反対デモの様子をライブでツイートしていた。

さらにアメリカ期待の星、体操のシモーン・バイルズがメンタルヘルスを理由に棄権すると、NBCは勝利の歓喜と逆境の克服といった従来の感動物語からの方向転換を迫られた。
アスリートが自分の抱えている問題について率直に語ることや、彼らが直面しているプレッシャーについてなど、より重いテーマに軸足を移さざるを得なくなったというわけだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5e143148230aa34cbc2359849657952c7f96ff9c?page=1