- 1 : 2025/12/08(月) 12:48:47.38 ID:8sACFtHy0
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羽根田 治(はねだ おさむ)
1961年埼玉県生まれ。那須塩原市在住。フリーライター、長野県山岳遭難防止アドバイザー、日本山岳会会員。山岳遭難や登山技術の記事を山岳雑誌などで発表する一方、自然、沖縄、人物などをテーマに執筆活動を続ける。『ドキュメント 生還』『人を襲うクマ』『山岳遭難の傷痕』(以上、山と渓谷社)など著書多数。近著に『山はおそろしい 』(幻冬舎新書)、『山のリスクとどう向き合うか』(平凡社新書)、『これで死ぬ 』(山と渓谷社)がある。
YouTubeに山岳遭難事故を題材にした動画がアップされていることを知ったのは、2年半ほど前だったと思う。当初は、「へぇ~、遭難事故について解説する動画がつくられているんだ」と思って見てみたが、数本だけでやめてしまった。あまり惹かれなかったのは、同じようなアニメーションキャラ(あるいはイラスト)と音声読み上げソフトを使った、稚拙な類似動画ばかりに思えたからだ。
しかし、こうした動画のタイトルやサムネイルは、YouTubeのサイトを開くたびに目に飛び込んでくる。それらを見るともなく見ているうちに、「ん? まてよ」と引っ掛かるものがあった。その動画を見てみると、案の定、予期したとおりだった。動画の元ネタになっているのは、私が取材・検証して記事にした遭難事例だったのだ。
タイトルから内容を推測して動画をチェックしてみた結果、同様の動画が少なからずつくられていることがわかった。なぜ私の記事が元ネタになっていると断言できるのかというと、その遭難事故について書かれた文献が、ほかにないからだ。しかも、記事の文章がそのままナレーションとなり、構成もそっくりである。元ネタというよりは、〝パクリ(盗用)〟といったほうがいい。
もしかしてこれって著作権の侵害にあたるのでは、と思い、法務に確認してもらったところ、「ほぼ丸ごと文章が転載されているので、著作権侵害にあたると考えられる」とのこと。事実関係のみを抜き出す場合や、著作権法上の「引用」にあたる使用であれば、「参考文献」とするだけでいいらしいが、「文章表現や構成等を含めて動画に翻案(小説の映画化等、著作物を別の表現形式で新たに制作すること)するのなら、著作権者の許諾が必要」だそうだ。そして対応策として考えられるのは、「Youtubeの運営サイドに著作権侵害の旨を通報する」もしくは「動画作成者に動画削除を要請する」のいずれかとのことだった。
- 2 : 2025/12/08(月) 12:49:25.52 ID:8sACFtHy0
- 作権侵害にあたるパクリ動画に削除申請
私がある遭難事故についての検証記事を書こうとしたとき、まず遭難者の連絡先を調べることから始め、連絡を入れてこちらの意図を説明し、了解が得られればお会いして話をうかがい、録音したテープをおこし、構成を考え、資料を調べながら執筆に取り掛かるという手順をとる。それを形にするまでには、少なからぬ手間暇をかけている。
その成果物の上辺だけをなぞる形で、安易なパクリ動画が次々と作成・公開されていることには、正直、腹が立った。そのほとんどの動画が、「過去の事例を知ることで、事故の再発防止につながりましたら幸いです」などと謳っていることにもカチンときた。
そんな能書は建前であって、小銭稼ぎが目的であることは誰の目にも明らかだろう。人の褌で相撲を取るとはまさにこのことで、苦労して形にしたものがパクられて他人の小銭稼ぎに利用されているかと思うと、ほんとうに情けなくなった。もし本気で遭難動画を事故防止に役立たせたいと思っているのなら、自分で一から取材・検証して形にしてみなさいと言いたくなる。
というわけで、著作権を侵害していると思われる動画について、拙著を出してくれている出版社を通してYouTubeに削除申請を行なったところ、2日ほどして該当する動画はすべて削除された。削除申請は2回行ない、削除された動画は計二十数本を数え、チャンネル自体が閉じられたものもあった。
ほかにもパクりの疑いがある動画は何本かあったのだが、それらは登山史に残るような大きな遭難事故について解説したものが多く、パクれる文献は拙著以外にもいくつかあるので、削除申請の対象とはしなかった。このような大きな事故はWikipediaで詳しく解説されているものもあり、動画によっては参考文献としてWikipediaを挙げているものもいくつか見られた。
ただし、Wikipediaの解説そのものが、拙著からのパクリであるケースも散見された(Wikipediaには引用文献として書名は記載されている)。つまり、Wikipediaをパクってつくった動画は、結果的に拙著をパクっていることになるわけで、パクりのパクりといった現象が起きている。これが連鎖すれば、もう著作権自体がどこに存在するのかもあやふやになってきてしまう。なのに削除申請した動画のなかには、「無断複製はご遠慮ください」などと断りを入れていたものあって、「どの口言う?」とキレそうになったものだった。
YouTubeで公開されている遭難動画には、私が取材・検証していない事故ももちろんたくさんある。それらにしても、なにかの文献をパクってつくられたものが少なくないと思う。ただ、文献が古かったり、雑誌に掲載された記事だったりすると、執筆者や出版社はパクられていることになかなか気づかない。著作権の侵害が表沙汰になるケースは、氷山の一角にすぎないのだろう。
- 3 : 2025/12/08(月) 12:49:52.34 ID:J/nun+fcM
- ゆっくり解説
- 4 : 2025/12/08(月) 12:49:53.25 ID:8sACFtHy0
- 扇情的なタイトルやサムネイルは名誉毀損の可能性も
この件以降も、パクリ疑惑の動画がポツポツとアップされたが、イタチごっこになるので、しばらく放っておくことにした。ある程度、数が溜まったところで、またまとめて削除申請をするつもりだった。その間に新たな遭難解説チャンネルがいくつも立ち上がり、過去に起きたさまざまな遭難事故が動画のネタとなった。また、ひとつの事故が複数のチャンネルで取り上げられることも多く、その内容はほとんど似たり寄ったりであった。
そんな折り、かつて取材を受けてくれた方から、「自分たちの遭難のことがヘンな動画になって公開されている」との連絡が入った。その動画をチェックしてみると、やはり拙著の文章をそのまま読み上げて、事故をおもしろおかしく解説しているパクリ動画だった。
彼にしてみれば、本で発表することを前提として取材を受けたのに、知らぬうちに動画になって配信されていたのだから、心外に感じるのも当然だろう。ありがたいことに彼は「我々は羽根田さんを信頼して本に名前を出しているわけですから、ほんとうに伝えたいことは本を読んでもらうしかないと思います」と言ってくれたが、パクリ動画が結果的に私の取材協力者を貶めることになったわけだから、非常に腹立たしかった。早速、この動画を含め12本の動画に対して削除申請を申し出、そのすべてが削除され、チャンネルも閉じられた。
このことがあり、イタチごっこではあるけれど、パクリ動画をどうにかしなければという思いはより強くなった。しかし、パクリ動画を見つけ出すには、疑わしい動画をひとつひとつチェックしなければならないので、けっこう時間が取られる。それでいてこちらは一文の得にもならず、かといって放っておけばユーチューバーには金がはいってくるわけだから、よけい頭にくる。
以上、私の体験に基づき、遭難動画の著作権侵害について述べてきたが、問題はそれだけではなく、最近の動画は名誉毀損の疑いも孕むようになってきている。それは、再生回数を稼ぐために、よりセンセーショナルなタイトルやサムネイルつけようとするからだ。事故の当事者や遺族が見たら、明らかに傷つき激怒するであろうタイトルを平気でつける感覚が、私には理解できない。知り合いで亡くなった方や、これまで取材した方などの事例も、動画によっては悪意に満ちたタイトルが付けられ、二次被害の様相を呈している。
さらには、遭難者の言動や事故の経緯などについての脚色がひどく、事実を捻じ曲げて伝えている動画も少なくない。しかも、これらの動画にはたいてい以下のような断り書きが付く。
「事故の関係者を冒涜する・侮辱するといった意図は一切ありません」
「事故を詳細に解説する動画ではありません。誤り、推測がある場合があります」
おいおいおい、どれだけ厚顔無恥なんだと思ってしまう。
- 5 : 2025/12/08(月) 12:50:11.26 ID:8sACFtHy0
- このYouTubeの遭難動画の問題については、最近、山岳ライターの森山憲一さんがX(エックス)で問題提起の投稿をするとともに、背景にあるものを取材して「デイリー新潮」に詳細なレポートを寄稿したので、是非チェックしていただきたい。
故人を冒涜する「遭難系YouTube」が人気 登山ライターの怒りと警鐘
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/04160601/5000円で台本募集…無断盗用&間違いだらけの「遭難系YouTube」が乱発されるワケ
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/04160602/なお、私は遭難動画をすべて否定するものではない。事故をしっかり検証して事実を伝え、なおかつ遭難者や遺族らの名誉を守り、著作権も侵害せずに作成・配信するのであれば、登山者を啓蒙して事故の再発防止を図るうえで、有効な一面もたしかにあると思う。しかし、今YouTubeで配信されている遭難動画のほとんどは、登山および登山者(遭難者)を冒涜するものでしかない。
そんな動画を横行させないための、規制を含めたなんらかのルールづくりを早急に所望したい。
- 6 : 2025/12/08(月) 12:51:23.54 ID:GaCcCSyn0
- どっかのサイトに乗ってる記事をそのまま読み上げてるだけのところもあるよな
- 7 : 2025/12/08(月) 12:52:23.91 ID:4IbTtzPj0
- そもそも架空の遭難事故を
ノンフィクションのように紹介してる動画が多い
中国をディスるニュースを創作してるのと手法がそっくり - 8 : 2025/12/08(月) 12:52:32.58 ID:TuHc3SUr0
- オタクが大好きなゆっくりを稚拙って言った?
- 10 : 2025/12/08(月) 12:52:34.31 ID:95ktTCLq0
- そういや遭難解説系YouTuberかなり減った気がする
業者が作ってた系のやつはビビって消えたのかな - 29 : 2025/12/08(月) 13:00:31.53 ID:58s01fnp0
- >>10
単にネタ切れじゃないの
基本的にこういうガチなノンフィクション作家の取材結果やwikipediaの丸写ししか出来ないんだから - 11 : 2025/12/08(月) 12:52:47.35 ID:D6ustMPu0
- キリン考察系だかってチャンネルもウィキペディア丸写しで笑ったわ
- 12 : 2025/12/08(月) 12:54:06.43 ID:dOyD2YO/0
- スカッとした系嘘松を
微妙にキモいAIで作成した動画
見窄らしいジジイババアがどうのこうの - 13 : 2025/12/08(月) 12:54:12.70 ID:3j7ojP9W0
- チャンネル20個くらい「おすすめに表示しない」にしたら出てくることが無くなった
- 15 : 2025/12/08(月) 12:54:50.93 ID:NP9jABcw0
- やっぱり丸パクリなんだな
youtuberが取材とかするわけ無いしどうやってネタを引っ張ってきてるのか不思議に思ってたわ - 16 : 2025/12/08(月) 12:54:55.97 ID:qImF9tv60
- 今のAIって動画内の要約とか出来るし、そのうちここらへんのチェックも厳しく出来そうだよね
自分の著作読み込ませて、クロールして類似表記を片っ端から掘れそう
- 17 : 2025/12/08(月) 12:55:17.17 ID:/8HYPI8H0
- ノンフィクションなのに著作権を主張すんのか
- 19 : 2025/12/08(月) 12:56:34.81 ID:qImF9tv60
- >>17
そら文字に起こしたら著作物やろ - 18 : 2025/12/08(月) 12:55:38.76 ID:/YqCHuj2M
- 山に限らず
事故、しくじり系は大抵そうやねしかし山岳雑誌で記事にしたところで
素人への啓蒙には1ミリにもならないのも確かよな - 22 : 2025/12/08(月) 12:57:44.18 ID:8Z+pR2EF0
- 「YouTubeの動画で勉強した」と称する奴は、救いがたい馬鹿
>>18
山岳雑誌読んでるやつの大半は、素人に毛の生えたレベルだろう - 26 : 2025/12/08(月) 12:59:39.39 ID:IuK/vuqx0
- >>22
YouTubeの参考文献のある真面目な動画はあるやろ - 28 : 2025/12/08(月) 12:59:51.22 ID:IuK/vuqx0
- >>26
YouTubeにも - 32 : 2025/12/08(月) 13:02:25.69 ID:58s01fnp0
- >>18
単行本も出してるぞ
羽根田治の遭難本は面白いから電子書籍で買えるのはだいたい買った - 20 : 2025/12/08(月) 12:56:58.53 ID:T1veFiqx0
- AI音声のナレーションはもう全く気にならレベルだよな…
- 21 : 2025/12/08(月) 12:57:20.12 ID:q9K233u10
- やっぱ収益化システムが質とモラルを低下させたよな
資本主義ってクソだわ - 23 : 2025/12/08(月) 12:58:28.69 ID:8WLbouSY0
- というか他人の動画の原稿そのまま絵面変えただけみたいなの大量だなこれ系は
- 24 : 2025/12/08(月) 12:58:38.88 ID:eLagestM0
- こんだけ事例があんだから、AIに学習させて捏造すりゃいいのにな
創作ですって言えばいいわけだし - 31 : 2025/12/08(月) 13:02:09.20 ID:8ikQYkAeM
- >>24
事件関係でそういうチャンネル出て来てる架空の事件を明示せずに解説 - 47 : 2025/12/08(月) 13:13:07.40 ID:2vAZlfYN0
- >>24
1999年に女性警官が失踪して13年後見つかったやつとかAIでしょ - 25 : 2025/12/08(月) 12:59:21.11 ID:/hEcLen60
- 遭難したコースを実際に登山してみる動画はたまに見ちゃう
- 27 : 2025/12/08(月) 12:59:45.58 ID:a8cBSYiN0
- 事故に著作権あるの?
- 30 : 2025/12/08(月) 13:01:04.76 ID:Kf4/RApJ0
- 遭難防止に有意義ではあるから
この人が動画で出せばいいのに - 37 : 2025/12/08(月) 13:04:58.21 ID:DlaQ7E5x0
- >>30
タメになる動画ほど作るのに労力が必要なうえに聞き手にも能力が要求されて面白さに欠け、
粗製乱造されたゆっくり解説の中に埋もれて終わるって色んな界隈で聞く - 33 : 2025/12/08(月) 13:02:26.15 ID:O03uh/uX0
- 実際取材している部分は著作物になる可能性はあるけど
言えるのは引用記事なり書いてくれまでじゃないのか
動画出す側もソース名言したほうが説得力はあるよね - 39 : 2025/12/08(月) 13:06:36.19 ID:bZXbj8/G0
- >>33
はあ何言ってんのこいつ?法務に確認して文章丸ごと使われてるから著作権侵害になると書いてるじゃん - 34 : 2025/12/08(月) 13:03:35.79 ID:V8qM6ezI0
- 著作権侵害が認められて削除されたとして、それまでの収益は返還しなくてもいいのか?
- 35 : 2025/12/08(月) 13:04:03.68 ID:aAjZN6NF0
- 実際興味深くて見ちゃうから本人が動画作ってよ
今どき活字媒体だけは甘え - 36 : 2025/12/08(月) 13:04:16.09 ID:ipMR+dOY0
- ヒゲおじさんって原作にも出てたのか
- 38 : 2025/12/08(月) 13:06:10.62 ID:4IbTtzPj0
- 20年ぐらい前にあるライターが杉沢村伝説というのを詳細に調べて雑誌に掲載したことがあったけど
すぐ他の雑誌やテレビに大量パクられててかわいそうだったな
しかも、雑誌に載せた内容のうち刺激的な部分だけ取り上げて核心の部分はスルーされてた - 40 : 2025/12/08(月) 13:07:01.83 ID:8DR82BQx0
- 御嶽山のやつとかどっかの取材丸パクリなんだろうな
- 41 : 2025/12/08(月) 13:08:31.59 ID:NRaAwlmL0
- 収益50%バックでいいじゃん
拒否したら訴えればいい
削除とか一番もったいない - 42 : 2025/12/08(月) 13:08:37.85 ID:akoEOiKW0
- ケンモメンは反対します(ヽ`ん´)
>しかも、記事の文章がそのままナレーションとなり、構成もそっくりである。
>元ネタというよりは、〝パクリ(盗用)〟といったほうがいい。 - 43 : 2025/12/08(月) 13:09:31.73 ID:WUDUW+WMM
- やるなら水面下で気取られるなよ
- 44 : 2025/12/08(月) 13:09:36.00 ID:7C+UnRw60
- これ書いた本人が同じ事やれば他は真似できなくならない?
つべにも話が通りそうだが - 45 : 2025/12/08(月) 13:10:26.91 ID:NtHaP1jd0
- 事件事故系の解説動画で自分で取材してるのなんて皆無だろうな
- 46 : 2025/12/08(月) 13:12:35.19 ID:1NKp+twg0
- 遭難者を叩くためだけの動画だし
- 48 : 2025/12/08(月) 13:13:23.41 ID:ySPtLwuP0
- 電車や飛行機の事故解説動画とか
情報源どこだよってなるよね - 49 : 2025/12/08(月) 13:14:22.04 ID:C3yqEf5N0
- 今ならAIに「この記事を〇〇風の文体にして要約して」とか指示すれば
事実関係はほとんど同じで創作的な表現だけが全く違う「著作権法的にはクリーンな記事」が量産出来るんじゃない? - 51 : 2025/12/08(月) 13:15:05.25 ID:TZmGRmL10
- 削除申請だけで満足するからダメなんだよ
著作権侵害で訴訟までやらなきゃこういう奴らは懲りない
嫌儲
クルド人差別急増でシンポジウム…埼玉、ライターら危機感



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